おもしろカオスなLGBT温泉へGO!「レインボー風呂ジェクト」女湯潜入レポート

おもしろい企画があるから潜入しませんか?」という某編集長のお言葉に甘え、普段はあまりお目にかかることのない現場に足を踏み入れることに。

それは、LGBTの人たちと別府の地元民が集まってみんなで楽しく温泉につかる企画「レインボー風呂ジェクト」。5月12日深夜、NHK総合テレビ「テンゴちゃん」にて放送されました。

 

会場となったのは北浜温泉(テルマス)です。

LGBTとは

会場の様子をお届けする前に、LGBTってナニ?という疑問を解消しておきたいところ。

LGBTとは、レズビアン・ゲイ・バイセクシャル・トランスジェンダーの頭文字を取った総称。性的マイノリティを表す言葉でもあります。

 

レズビアン:女性として女性を好きになる人

ゲイ:男性として男性を好きになる人

バイセクシャル:同性・異性、どちらとも好きになることがある人

トランスジェンダー:生まれたときの性別と異なる性別で生きる人。好きになる相手の性別は様々

 

上記のように、「男性として女性を好きになる/女性として男性を好きになる」「生まれた時と同じ性で生きる」いわゆるストレート以外の生き方をしている人はたくさんいるんです。

性的マイノリティの種類は多種多様で、LGBT以外にも色々なセクシャリティが存在します。

 

アセクシャル:他者に恋愛感情を抱かない人(え?そういう人もいるんですね!)

パンセクシャル:性別にかかわらず他者を好きになる人(アレ……これは筆者のことかも?)

Xジェンダー:男女の性別にとらわれずに生きている人(できそうでできなそう)

クィア:自分の性別を定めるのに違和感を覚える人(複雑な思いを抱えていそうだなー)

と、上記はほんの一例にすぎません。恥ずかしながら筆者、こんなに色々な人がいるとは知りませんでしたよ。生まれたときの身体の性別、心の性別、そして好きになる対象の性別は人それぞれなんですね。

 

女性の身体で生まれ、心は男性、好きになる対象は女性という万次郎さん。胸もあり身体は女性ですが、男性として女性を愛する彼は、ぜひ男風呂に堂々と入りたい!と語ってくれました。

 

男性の身体で生まれ、心は女性の青木未央さんは、美容ビジネスのスペシャリスト。「化粧で女性らしさを出すことになによりも詳しいから、ビジネスもいけるんじゃないかと思って」とお話してくれました。

 

男性の身体で生まれ、心も体も戸籍も女性に変更した安友貴美さん(写真右)。どう見ても女性ですわ……。中高一貫の男子校出身ということで、大変だったんだろうなと想像してしまいます。

 

女性として女性が好きな鈴木南十星(なとせ)さん。明るくて小さくてかわいらしい彼女も、人に言えず悩んでいた時期があったのでしょう。

うーーーーーん、奥深い世界!

見た目の湯・戸籍の湯・自己申告の湯で入浴タイム!

司会は芸術的なメイクが印象的なドラッグクイーン、ベビー・バギーちゃん&別府市観光課の江藤慎一郎さんです。

※入浴シーンは、残念ながら男湯のみでお送りします!画像と文章が全くかみ合いませんが、ご了承ください。すみませーーーーん!!

見た目の湯

テルマスのおかあさんが判断し、男女の振り分けがスタート。

女性である筆者、女風呂に入れなかったらどうしようという一抹の不安を抱えつつ、カギをいただきました。なんとか女性認定、ヨカッター。

小学生の頃は声の低さと髪の短さと地味な顔立ちから、よく男の子に間違えられていた筆者、あの頃の複雑な思いがよみがえりました。心臓に悪ーい!

 

女湯の脱衣場では、みんなバスタオルを巻くのに一苦労。

温泉名人の「胸元を外側に織り込むべし!」というありがたいアドバイスのおかげで、ポロリはありませんでした!!

まさかタオルを巻いて温泉に入る日が来ようとは。

 

初めて女湯に入った!と言う方が結構大勢いましたが、何の違和感もなく湯につかる一同。さすが別府の温泉、いい具合に混ざってます。

戸籍の湯

え、どうみても男でしょ?という言葉が飛び出すほどの方が女湯に。

 

これはダメでしょーとキャッキャしていました。言われた当の本人も、めっちゃ恥ずかしそうにして落ち着かない様子。

 

見た目の湯よりも、違和感がすごかった!やはり戸籍の変更ってのは大変なことなんだろうなーと、想像を巡らせました。

1回目の戸籍の湯でのぼせてしまい、湯船に入らず見学した筆者。みんなバスタオル一枚のところにひとり浴衣だと、ものすごい疎外感です!

 

裸(もしくはそれに近い状態になる)っていうのは、やはり心の距離も近づけるのに有効なんだなと実感した瞬間です。

自己申告の湯

どちらの湯に入るのがしっくるくか?という基準で男湯・女湯に別れての入浴。

 

男性として男性が好きだという、どうみてもおじさんが女湯へ入ってきました。「男湯に入ると意識しちゃって恥ずかしいから」という理由だそうです。なるほど、そういうこともあるのか!

 

じゃあちょっと待って。筆者は女性として男性を好きになるっちゃなるけれど、男の裸見るくらいなら、女の子の裸が見たい!っていうのはいいのだろうか?

こんなヨコシマな気持ちを持っている人間は、男湯に入らなきゃいけないのか?悶々悶々……。

 

さすがNHK、ちゃんと考えさせられるぜ!

「下心温泉」&「仮面温泉」はいかが?

温泉から上がったあとは、グループになって大喜利風ディスカッション。LGBTが絶賛する温泉は?LGBTが絶賛する温泉街は?というテーマでいろいろな意見が飛び出しました!

LGBTが絶賛する温泉とは?

「お風呂に入ってるときよりも着替えが恥ずかしい」という声が意外にも多く、個室の更衣室とか、テントとか、迷路みたいな更衣室とか、そんな意見が多く出ました。

 

どうせなら血液型で分けたお風呂でもよくね?という斬新な意見もあり。分類するって、いろんな視点があるんだなー。

LGBTが絶賛する温泉地街とは?

男女関係なくかわいい浴衣を選べる、LGBT特別雇用枠を作るなどなど意見が出る中「このままでいい。結局は理解が大事」という素晴らしい言葉で終了。

「下心温泉」ってのはどうだろう

この記事を書くにあたり、あれやこれや考えている最中、しっくりくるというよりもエロ心を満開にして入ったらどちらになるか?という温泉もやってほしいと思いたった筆者。

しかしそうなると、女性好きの男性はみんな女湯に入ることになりそう。女性はどういう意見になるんでしょうか?

試しにとある女性に、下心温泉だったらどっちに入りたい?と聞いてみると、「男性の裸のほうが見たい。でも若い男の子に限る!」という、なんとも欲望に忠実な答えを聞かせてくれました。

 

筆者は断然女湯、カワイイ女の子と入りたい!

じゃあ男湯に入るのは誰?ゲイの男性と、男性を好きになる女性の一部と、女性が好きで女性に見られると恥ずかしいと感じる女性?

だんだんこんがらがってきてしまいましたよ。ぎゃふん!!

「仮面温泉」も怪しげでイイかも

裸が恥ずかしいなら、いっそ顔を隠すのはいかがでしょう?名付けて仮面温泉。

誰が誰やら仮面や眼鏡でわからなければ、意外と恥ずかしくないかもしれません。サングラスなどをかけて目線がわからないようにすれば、人の裸を見放題という嬉しい側面もあり。これマジ名案!?

まとめ

LGBTの人たちはLGBTってくくられるのをどう思うのか?特別扱いは嫌だったりしないのか?その辺も気になりましたが、とにかく人も多くわちゃわちゃしていて、ゆっくり一人ひとりに話を聞けなかったのが残念です。

みんなそれぞれ、色濃い人生を歩んできたんだろうな。

 

そんなワケで、強烈な個性を持つLGBTの方々や、別府でよく見かけるあんな人やこんな人、みんな入り混じって楽しく湯につかる「レインボー風呂ジェクト」は無事終了しました。

 

これ、毎年定例化したらイイのになーーーーーー!

懐の深い別府だからこそ実現した企画。別府に「レインボー温泉」ができる日も近いかもしれません!


おまけ

お土産にいただいた品々。なんと!「別府タオル」の特製レインボータオルが入っていましたよ。嬉しい!!!

 

参照:レインボー風呂ジェクト実行委員会 冊子/監修・三橋順子

この記事を書いた人
泥ぬマコ

べっぷる編集長。ビーベップ編集長。フリーランスのライター・編集。夫・娘・犬と一緒に別府へ移住してきました。PR記事や取材記事、キャッチコピーや企画・構成・編集も請け負っています。
ブログ→泥ろぐ http://doronumako.com