わたくしことeyan編集長・河口敬一郎は初めての台湾旅行に胸を高まらせていた。
台湾の楽しい旅の模様はeyan1月号(vol.149)をご覧いただければ解かると思うが、eyanでは没ネタとなった情報の吐き出し口がない。そこで台湾行きへ同行してもらった「べっぷる」さんにお願いし、今回の記事を紹介させてもらうことになった。
別府駅にてビールを購入し、浮かれ気分の台湾旅が始まった。
ビールまみれの極楽旅・スタート!
別府から台湾へは、北九州空港まで毎日往復一便、直行バスが出ている。別府駅から乗り込み北九州空港へ、これはとても便利だ。
北九州空港のフォトスポットにて、インスタ映えを意識した写真を撮影。
わたくしにピッタリのフォトスポットが多数点在しており、飛行機に乗る前からテンションが上がってしまう。ちなみにこの時点で、ビール2本を摂取。ホロ酔いである。
北九州空港からは顧客満足度10年連続第1位のスターフライヤーで台北へと快適な空の旅を楽しめる。
飛行機に乗れば、キャビンアテンダントさんが飲み物をサーブしてくれる。もちろん、ビールもある。美女が笑顔でビールを持ってきたら、応えるのが紳士であるわたくしの使命だ。
黄金色に輝くシュワシュワした液体、ビール。
「空の旅にカンパイ!」プラカップでの乾杯も飛行機ならではで、オツなものだ。
「くぅ~うまいっすねぇ!」
真昼間からのビール。最高以外の言葉が見つからない。
のどを潤した後は美味しい機内食をいただく。
心も体も舞い上がったわたくしはスターフライヤーへの愛があふれ出し、ついにはマスコットを購入。完全にできあがっている。
最高の気分で台湾へと到着した。
「夜市(土林市場)」に直行→台湾ビールで乾杯
台湾到着から直行で台湾ビール。
宿泊するホテルは、夜市(土林市場[シーリン])の中心にある。これはもちろん飲むために選んだことは言うまでもない。酒と美味しい料理があるだけで幸せな気分になれる。
屋台飯に舌鼓。うまいつまみがあれば、酒が進むのもいたしかたないだろう。
ビールを追加。
全部、台湾ビールのせいだ!うますぎるのも罪である。
浮かれまくるわたくし。どうだろう、心から台湾を満喫する様子が伝わるだろうか。
市場を歩けば、日本にはない様々なものが目に入る。この写真は金魚すくいならぬエビすくいだ。
わたくしの漢らしさを表現するにふさわしいような、どぎついパンティも多数売られている。大人の事情によりお見せできない、卑猥なアレコレを販売する屋台も多数ある。
……さて、わたくしには今回の旅でひとつの目標があった。それは「臭豆腐」なる食べ物を食べてみる。という目標である。
台湾は初だが中国旅行を何度か経験したことのあるわたくし。その都度「臭豆腐」を食べるという目標を持って旅立つのだが、毎回その匂いを前に断念してしまっていた。
「臭豆腐」とは、中国・台湾・香港などで食べられている豆腐を発酵させた食べ物で、地元の人気も高く臭豆腐を扱う店舗は非常に多い。しかし強烈な臭い匂いを発するため地元民でも食べられない人がいる。
台湾は「臭豆腐」が有名であり、このお店のメニューにも掲載されていた。
しかし、到着したばかりなのでと自分に言い訳をして、この日の「臭豆腐」は回避することにした。
臭豆腐から逃れた後は、違う店で台湾美女の注いだビールを味わう。
再度場所を移動し、スナックやバー・キャバクラなど大人のお店がひしめく飲み屋街へと繰り出そうとしたものの……めくるめく夜を過ごすための軍資金がなく、あえなく帰途についた。
せっかくなので本日の有り金をUFOキャッチャーに注いでみたが、見事に撃沈。人生は甘くない。
いざゆかん、台湾の「新北投温泉」
初日から若干飛ばしてしまったわたくし、二日酔い気味の朝である。正直、だるい。
わたくしのフラフラ具合とは対照的に、活気あふれる市場を通り駅へと向かった。
途中見つけた巨大な“銀玉”は、おそらく卑猥なモニュメントではないだろう。
「新北投(シンペートー)」駅に到着後、まずは屋台で朝食をとることにした。温泉前の水分補給をせねばらないので、仕方なくビールを飲む。仕方なしに、である。
お目当ての「瀧乃湯」に到着したものの、まさかの定休日であった。せっかく温泉マークのTシャツを着こなし、意気揚々とやってきたのに残念。
温泉に入らずには帰れない。気を取り直し、わたくしは男女入り乱れて混浴できる露天の公衆浴場「千禧湯」へとやってきた。
泉質の「酸度(pH)」にご注目いただきたい。pH1.2-pH1.4とある。これは胃酸と同じくらいの酸性である。わが別府が誇る強酸性の「塚原温泉」よりも強烈で、舐めると痺れる酸っぱさだった。
そして、なんといっても男女混浴!……だが、残念ながら水着着用である。ポロリもなかった。
小籠包で有名な「鼎泰豊」で美食三昧
わたくしの次なる狙いは、小籠包で有名なレストラン「鼎泰豊(ディンタイフォン)」だ。せっかくなので、お店前でマスコットと写真撮影。あまりの愛らしさに、思わずそっと手を握ってしまった。
まずはビールを注文。美味しい食を楽しむには、美味しいビールが必要だからである。
カンパイ!
さすがは有名店、思わずいいね!サインが出てしまう。味はこの顔を見ればわかっていただけるだろう。
漢・スイーツを喰らう
お店を出てデパートをぶらつく。わたくしにふさわしい高級店ばかりだった。
通りで人気のタピオカドリンクをすする。
せっかくなので、大人気のマンゴーかき氷にも挑戦することになった。
いただきまーす!
と見せかけて……、「あーん」。おっといけない、普段スイーツをあまり食さないわたくし、おもわずデート気分になってしまったようだ。
赤ちょうちんの街「九份」
夜になり向かったのは「千と千尋の神隠し」のモデルともいわれている九份。赤ちょうちんとはいえ、居酒屋ではない。
人ごみの中でも絵になってしまう、わたくし。
実は、自撮りを試みる女性の背後に映りたい一心の様子を激写されてしまった。彼女の思い出の1ページにわたくしが刻まれていると思うと感慨深い。
再びの夜市、ついに地獄の「臭豆腐」を食す!!!
そんなこんなで九份の街歩きも終了し、夜市に戻ってきた。
どこもかしこも、美味しそうな屋台が並んでいる。
まずはテーブルに腰を下ろし、ビールを注文した。
これでもかこれでもか!の、美食・オンパレードである。夕食タイム、旅の楽しさで大切なことを忘れかけていたわたくしの目に、メニュー表の中のある文字が飛び込んできた。
「臭豆腐」……ヤツである。
見なかったことにするのは簡単である。しかしここで逃げれば、この先の人生も逃げ続けることになる。さらに体当たり取材を信条とする「eyan」ブランドの名が地に落ちてしまう。意を決して「臭豆腐」を注文した。
ヤツは独特の異様な匂いを放ちながらテーブルへと運ばれてきた。
その匂いに手も足も声も出ない。「臭豆腐」を前に時間だけが経過する。
その時、わたくしは、以前先輩に教えて頂いた言葉を思い出した。
「据え膳食わぬは男の恥」
ついに、漢(おとこ)として一口。
「うぅぅぅぅ」
悶絶。
ウ●コを連想する匂いに、吐き気をもよおしてしまう。
世の中は、とても広い。このような食べ物が存在するなんて。
以降2切れ目に箸が伸びることも無く、1切れ食べただけで今回の企画は終了となった。
▲ぜひ動画でもご覧いただきたい。
しかし「臭豆腐」を口に入れた時、わたくしは不思議な体験をした。
少年時代の思い出が蘇ったのだ。「ウ●コ味のカレーとカレー味のウ●コどっちを食べる」の話だ。
あれから35年。世の中の汚い部分を見て44歳になったわたくしは思った「臭豆腐一皿完食と某有名美人女性タレントのウ●コどっちを食べるか」
すっかり汚れてしまった己を恥じつつ台湾の夜は更けていった。
