風格ある和の空間で心ゆくまで将棋三昧「将棋処 と(ときん)」

北浜バス停から1分、トキハ別府店西口の道を挟んだ向かいにある「将棋処 と(ときん)」。

2階に上がると、手前に「おにぎりかふぇ」の扉、奥に「将棋処 と」の入り口があります。

引き戸を開けると、立派なたたずまいの玄関。

すべてにこだわりの強い席主が作った将棋空間には、細やかな気配りと将棋愛があふれていました。

至る所に見られる「隠れ駒」を探すのもおもしろい!

目指すは“おじいちゃんおばあちゃんのディズニーランド”

もともと料亭だった店舗を将棋処としてオープンした「将棋処 と」。

席主の白井剛史さん自身が老後に通いたい場所“おじいちゃのばあちゃんのディズニーランド”を目指して、将棋を指せる場所を作ったそうです。

将棋スペースは、「桂(かつら)」と「榧(かや)」など木の名前が付けられています。
畳の上で、低めの椅子に腰かけて対局スタイル。

こちらは喫煙しながら将棋するスペース。
完全分煙なので、愛煙家同士なら気兼ねなくタバコも将棋も楽しめます。

奥には喫煙スペースも完備。
スロットマシーンが置いてあったり、敷かれた石が駒のカタチに並べられていたりと、遊び心がいっぱいです。

将棋で負け、スロットで気晴らしする人も多いとか。

廊下を挟んだ反対側は、くつろぎスペースになっています。

1畳分ほどの大きさのある画面では、過去に放映された将棋専門のテレビ番組や、将棋の話題に触れたバラエティ番組の他、将棋にまつわるDVDなども閲覧可能。

将棋関連の本や雑誌、漫画も充実していますよ。
漫画は貸し出しNGですが、本は貸し出しもOKです。

対局で疲れたら近所の温泉へ行こう!

「ちょっと気分転換したいな」「一局終わったしサッパリしたい」そんな人は、温泉へどうぞ。

  • 海門寺温泉入浴チケット
  • タオル
  • せっけん

上記「温泉セット」を500円で販売中です。
温泉の街、別府ならではのサービスですね。

枕もあるので、疲れたらごろ寝ができますよ。

棚の一角には「健康コーナー」が設けられており
・血圧計(頭に血が上ったら落ち着くため)
・体重計
・足つぼ
・肩たたき機
・老眼鏡
など、健康グッズが常備されています。

「色々とグッズなどを充実させるのは、負けた人の心の退路を作るためです。
心の逃げ道を作る、そんなケアが大切だと思っています」

と、席主。細やかな心配りが嬉しいですね。

お値段ウン十万円!高級盤&駒も体験可能

将棋の盤と駒、高級なものはお値段がものすごいことになっていて、一般の人はなかなか触れる機会がありません。

しかし!ここ「将棋処 と」なら、追加料金を払えば誰でも最高級駒&盤で将棋が指せるんです。

こちらは一番の上座となる「特別席」
将棋盤の材料として最高品といわれる「日向榧(ひゅうがかや)」の盤を使用できます。
原料の榧は、なんと樹齢300年~700年以上

ちなみに筆者が、盤の横にあるものを「ひじ置きですか?」と質問したのは内緒です。

普通の盤と日向榧の盤、何が違うのかを席主にたずねてみました。

指した時の反発力が違いますね。とはいえ、これは使ってみないとわからない感覚です。
簡単に買えるものではないけれど、使えば良さが身に染みるでしょう」

こちらは柘植(つげ)の駒。

「駒も見た目では判別できず、使ってみないとその良さはわかりません
入ってみないとどうなのかわからない、温泉と同じですね。

だから私は、なんでも実際に見たり聞いたり触ったりする“アナログ”が好きなんです」

と、席主のお言葉。

席主が語る将棋と人生

席主・白井剛史さんの生まれは東京で、6年前に群馬から別府へと移住してきました。
移住前の15年間はパチンコ店の店長だったそうです。

“自分はプロにはなれない”と小学校で悟り、その頃からおじいちゃんになったら将棋の店をやりたい」と思っていました。

将棋は無言の攻防。相手の気持ちを推し量り、次の行動を予測して進めます。

将棋は、駒で会話をするんです。だから言葉は重要ではありません。言葉より大事なのは行動

日常生活においてもべらべら喋って相手を理解するのではなく、黙ったままどうすべきかを考えて行動するのが大切だと思っています」

との席主の話に、ただただ頷くしかない筆者。
やばい、今、ベラベラ喋っている……と、ひとりドキドキしてしまいました。

相手の気持ちを推し量るためには、どうしたらよいのでしょうか?
他人が次に何をするのかなんて、どうやってわかるのでしょうか?

相手の次の行動を読むには、その人の視線の先がヒントになります
相手が何を見ているか、何を気にしているか、そこが重要です。」

とのことでした。
なるほど、相手の視線を追えば次の行動がわかる……スゴイ!確かにそうかもしれませんね。
そんなこと考えて行動したことありませんでした。

「将棋の対局中に発するのは、最後の「参りました/負けました」のみです。それが美学でもあります。

チェスではチェックメイト=勝った!と言いますよね。
一方将棋では、負けた本人が「参りました」と認めて宣言するんです。

つまり、答えは己の中にあるということ。
己に勝つのが勝負です。相手に勝つためにやれば負けの始まりなんです。」

将棋についての奥深い美学と、日常のすべてにそれを貫く席主の熱い思い。
駒を磨きながら語っていただきました。

ド素人の将棋体験

さてここで、筆者の夫が将棋体験に挑戦!

夫は小学生の時にやったきり20年以上というブランクありなので、なんとか駒の動かし方を覚えている程度のド素人です。

展開を見ていても、何が何やらさっぱりわからない筆者をよそに、黙々と駒が動いていきます。

と、急に「あ、コレだめだ!」と情けない声を発する夫。
案の定、ボロ負けに終わりました。

美しい指し方とは?

対局の結果はさておき、将棋についての基本的なことを学ぶことになりました。

まずは、美しい駒の指し方。
基本は「アン・ドゥ・トロー」だそうですが……

席主による、流れるような駒さばきはお見事です。

初心者は、このようにマッチ箱で練習するのがおすすめ。
ちなみに席主、昔は消しゴムで練習したそうです。

上の動画は、席主と夫の指し方と音の違いです。ここまで差があるんですね。
小学5年生で盤も駒も使わない「脳内将棋」をたしなんでいたという席主、やはり格が違います!

対局が始まるまでの流れ

駒を並べる手順

駒の並べ方には、流派があるんです。
95%は大橋流、5%は伊藤流といわれているそうですよ。

王将を始めに置き、あとは左右左右……と、手前から順に置いていくのが一番オーソドックスな大橋流です。

対して、途中までは大橋流と同様に並べ、香・角・飛より先に歩を並べるのが伊藤流。
敵に直接駒が行かないように歩で塀を作る、武士道のあらわれなんだそうです。

駒をキレイに並べる方法

夫が左、席主が右。
何気なく並べているようでも、席主の駒はピシッと縦横が揃っていて美しい!

席主の駒は、横から見てもビシっと一直線で気持ちがいいですね。
この辺も意識して並べると、心が引き締まりそうです。

駒を振る 

先手・後手を決めるために、将棋では「降り駒(ふりごま)」をします。

歩の駒を5枚振って投げ、決めるんです。

高級駒を投げて傷つけたらどうしよう……小心者の筆者、そんなことばかり気になってしまいました。

まとめ

写真は、奥さんが買ってきたという将棋のTシャツ。見つけた瞬間「コレは買わねば!」と思ったそうですよ。

初心者も玄人も、将棋を愛する人ならきっと大満足の時間を過ごせる「将棋処 と」。

おじいさんは「と」へ将棋を指しに
おばあさんは「トキハ」へ買い物へ
お母さんと子供はお隣の「おにぎりかふぇ」へ……

なんて休日も、楽しそうですね!

将棋処 と(ときん)

店名 将棋処「と」
住所 大分県別府市北浜2-7-31もず屋ビル2F
電話番号 0977-24-2555
営業時間 午前11:00-最終手合い19:00
定休日 月、火(祝日は営業)

この記事を書いた人
泥ぬマコ

べっぷる編集長。ライター・編集。引っ越し魔の夫と娘、犬と別府に移住してきました。PR記事や取材記事、キャッチコピーや企画・構成・編集も請け負っています。
ブログ→泥ろぐ http://doronumako.com