いい味出してる!中華「一二三(ひふみ)」で謎のターロー麺を食す

別府駅から徒歩5分ほど、竹瓦温泉のすぐ裏手にある小さな中華料理店、「一二三(ひふみ)」。

 

横にある小さなガラスケースにディスプレイされた、日に焼けたメニューとチープなネコのオブジェ。これぞ「THE!大衆食堂」といった雰囲気です。

夜だけ営業の大衆中華「一二三(ひふみ)」

入り口の扉を開けると、

〽テレレテレ〜ン、テレレレン♪

おお、これは!「ファミマの入り口で流れるジングル」!!時代から取り残されたような店内に、玄関の開閉時のみ平成の空気が流れます。もっと渋い曲がよかったな、ランバタとか…

 

建物外観同様の激シブな店内には、4人がけのテーブル席が数席。

スーツ姿のサラリーマンが、テレビを見ながら昼飯をかっこんでいるのが似合いそうな光景ですが、一二三はなんと夜6時から開店する夜だけ営業のお店です。

店の周囲は、パブやちょっといかがわしいお店が建ち並ぶピンク街なので、日中よりも夜のほうがお客さんが多いのかもしれません。開店時間が遅い代わりに、深夜3時まで営業しています。 

 

優良中華料理店のあかし「コンビニコミック」。

巻が飛び飛びになってるのも、いい味出しています。しかし古い!!ミスター味っ子って…30年前やん。

 

カウンター奥の厨房では、ご夫婦と思しき高齢の男女が調理をしたり食器を準備したりと、せわしなく動いています。

店内は私たちしか客はいませんでしたが、近隣の店からのテイクアウトの注文が多いのか、オーダーの電話が何度かかってきていました。

 ビールは瓶のみ、何とサービスの手づくりおつまみが付く!

カウンター越しに、とりあえずビールを注文。

しかし、注文して5分以上は経つというのに、ビールが運ばれてくる気配はありません。業を煮やして厨房まで催促に行くと、なんとわざわざ注文外のおつまみを作って下さっていました。

 

待つこと10分ほどで、ようやくおつまみと一緒にビールが運ばれてきました。

ビールは瓶ビールのみで、キリンとアサヒの二種類があります。チョイスはキリンラガー、しかしグラスはアサヒ。

 

わざわざ私たちのために作ってくださっていたおつまみはこちら。

ハムときゅうりのサラダ、鶏肉の照り焼き、卵焼き。どれも家庭料理みたいな懐かしい味付けで、丁寧に仕事をされているのが伝わってきます。ちなみにこれ、お通しじゃありません。あくまでサービス。すごいね、名古屋のモーニングみたい!!

 一品料理は意外とお高め?気になる「ターロー麺」とは 

一杯飲んでホッと一息ついたところで、本編の食事を注文することに。

「メニ ュー」をみると、先ほどの家庭的なおつまみからは想像できないような、本格的な一品料理の名前がズラッと並んでいます。値段も1,000円前後と、思ったよりもお高め。

しかし麺類の価格を見るに、一品料理がこの値段になるのにはそれなりに理由があるのでしょう。すごい大盛りとか?いい素材を使ってるとか?

一品料理が気になりつつも、今回は焼きビーフンと、謎のターロー麺を注文します。値段表にはタロー麺とありますが、写真はターロー麺です。ただの誤字かな?発音の違いか?

ターロー麺は、写真で見るとイカやきのこが入っていて、あんかけになっているようです。

 

オーダーは客自らがメモを書いて厨房に持っていくんですが、添えられている筆記具が、完全に忘却の彼方だったこの「紐を引っ張ると芯が出てくる鉛筆」ですよ。おじいちゃん家みたい。

 

待つこと10分ほどで、出てきたこちらがターロー麺です。ん?なんかメニューの写真とイメージ違うような…

ターロー麺は、中華スープのとろみ餡にかき卵ともやし、キャベツなどが入っており、メニューの写真にあったようなシーフードはほとんど入っていませんでした。

 

麺を持ち上げると、ずっしりと箸に重量を感じるほどの硬い餡が、細めのストレート麺にほどよく絡みます。味はかなり薄味で、風邪のときに食べるたまごがゆのよう。

ターロー麺の由来は「適当にそれっぽい名前を付けただけ」 

店のおばちゃんに「ターロー麺てはじめて聞いたんですけど、どこの料理なんですか?」と聞いたところ、「いや…何かそれっぽい名前を適当につけただけで…」と返されて、正直すぎるのも良し悪しだなと思いました。

何でも、商店街の活性化のために何かオリジナルの料理を考える必要があり、その時に適当に考えたのがこの「ターロー麺」だったそう。

 熊本ラーメン「桂花」のターロー麺とは全くの別物

ちなみにターロー麺について後で調べてみたところ、熊本ラーメンの人気店「桂花」のオリジナルメニューにそういのがあるらしいことが分かりました。

煮込んだ豚の三枚肉(太肉-ターロー)が乗ったガッツリ系のラーメンで、一二三のたまごがゆのようなターロー麺とは全くの別物。

本家を知らず、適当にそれっぽい名前にしたというのは多分本当なんだろうと思いますが、ターロー麺の出自について振った時の、バツの悪そうな表情から察するに、他店のオリジナルの料理だというのは、どこからか聞いて知ってはいるように思いました。 

 ターロー麺には〆のライスがよく合う!! 

ターロー麺をそろそろ食べ終わろうかという時、厨房からご主人が出てこられ、「ターロー麺のスープにご飯を入れると美味しいよ」と、なんとお茶碗半分ぐらいのご飯をサービスで出していただけたのでした!!何この店、サービス多すぎでしょ?

 

ラーメンの残りのスープで雑炊、これは嫌いな人はそうそういないでしょう。

オラ、ぼ〜〜〜ん!!豪快に丼にごはんをぶち込むと…

 

レンゲで混ぜ混ぜ。

 

あっという間に、あんかけ卵雑炊の完成です。

サッパリとして、どなたにでも食べやすい優しいお味。ごはんがあれば、残り汁も余すことなく堪能することができます。雑炊用のミニライスはメニューにありませんが、毎回サービスで付くのか、はたまた別個に注文できるのかは不明。

焼きビーフン

ちなみに焼きビーフンは、いたって普通のシンプルなもので、毎日でも食べたい素朴なお味でした。

まとめ

今度は一品料理のほうもチャレンジしてみたいです。

一二三

メニュー

お店の情報

店名一二三
住所大分県別府市元町16-6
電話番号0977-23-8560
営業時間18:00〜3:00
定休日不定休・大晦日及び元日
駐車場なし
この記事を書いた人
フジイサナエ

1977年大阪生まれ。温泉と酒をこよなく愛し、20年近く暮らした東京から、2017年春に別府へと移住してきました。