二度見必至のごっちゃり感「妖気漂うお店」に潜入

別府のとある地区、旧国道沿い。ひときわ異彩を放つ建物があります。

軒先・屋根・壁・ベランダ、ありとあらゆるところに仮面や仏像、彫刻がぎっちりとひしめきあい、異様な空気を醸し出しています。

コレは一体ナンダロウ……どうしても素通りできない謎のお店(?)の正体に迫ってみました。

90年間住んでいる家!かつては旅館だった建物は今も健在

メダカの世話に精を出している最中のおじいちゃんに、恐る恐る話しかけてみました。※「名前は秘密で」とのことなので、ここではおじいちゃんと呼ばせていただきます。

年季が入りまくりの建物は、もともと「みねや旅館」という宿でした。
今も宿名が入ったランプなど、旅館の名残があります。

「両親が宿をやっていて、私は生まれてから90年、ここで暮らしてるよ。
旅館を継いだけど、奥さんが亡くなってから宿は廃業したんだよ」

宿を閉めた後は、古銭・ガラクタ・古物を売買していたそうです。

仮面に隠れた昔の看板。「日本一小さいって書いてあるやろ?」と仮面をどけて説明してくれましたよ。

色あせた木の看板には「古銭類」の文字。

今は店内は解放しておらず、軒先や家の壁に並べるだけ。
目も耳も悪くなってしまったから、今はもうほとんど商売はしていないそうです。

「足を止めて見ていく人はいっぱいるよ。気に入ったものがあって、欲しいという人には売ることもあるけどね。」

そう語るおじいちゃん、90歳とは思えないお元気さです!

収集歴70年!奥行きや味わい深さが“ガラクタ”の魅力

おじいちゃんが古いものを収集し始めたのは、20歳くらいの頃から。
つまり、収集歴は70年にもなるんです。

筆者の、そしておそらく読者の歳よりも長く、古いものを集め続けているんですね。

針金で固定された、味わい深い小人さんの像。どことなくシュールです。

こんなにたくさんのものたちは、一体どうやって集めたのでしょうか?

「昔はね、私が古物を集めているのをみんな知ってるから、知人とか噂を聞きつけた人が買ってくれと物を持ってきたんだよ。今は買いきらんけどな。

骨董品っていうのはね、大体10年周期くらいで、売れる時期・動く時期、売れない・流れない時期というのが交互にあるんだよね。

でもね、今はもう30年くらい流れがとまって動かない。
本当にね、全然売れないの。今は物が動かない、流れない時代だな」

そう教えてくれました。

昔は別府にも骨董屋がたくさんあったそうですが、今ではあまり残っていないというおじいちゃん。
壁を這う植物に水を撒きながら、少ししんみり語ってくれました。

古いもの、ガラクタが好きな理由について聞いてみると……

「今ってのはね、何でも簡単にできる時代でしょ。物だってすぐ作れる。

昔の物は、作るのに手作業で時間がかかったんだよね。だからこそ、奥行きや味わいがあるよね。
今のものは味がないから、どうにもつまらないし、イイと思えないんだよな。薄っぺらくていかんな」

「お店の中にもね、まだまだあるよ。一緒に住んでる子供は「捨てろ」っていうけどね。まさか捨てられないよね」

そんな話をしながら、なぜか缶コーヒーを振舞ってくれました。お客じゃないのに、こんなに優しくされちゃいましたよ。

久々のお買い上げに笑顔がこぼれる店主

この日は、偶然街でお会いした「書肆ゲンシシャ」の藤井さんと取材に来た筆者。
なんと藤井さん、迷った末に仮面を購入しました。

品物が売れて嬉しそうな表情のおじいちゃん。今日一番の笑顔、いただきましたよ!

「これは売り物じゃない!」と言う店の前のお地蔵さん。

よくよく見ると、値段がチョークで書かれているものもあります。
価格の付け方はなんとなく、だそうです。

風化したオブジェのようなものも見られます。

これは一体なんでしょうか?謎の置物(?)も多数。

まとめ

近寄り難いオーラを放つ建物ですが、おじいちゃんはとっても優しい人でした。

もしも仮面や像にまみれている不思議な建物を見つけたら、あなたもぜひ立ち止まって、昔に作られたものの奥深さを堪能してみましょう。

この記事を書いた人
泥ぬマコ

べっぷる編集長。フリーランスのライター・編集。夫・娘・犬と一緒に別府へ移住してきました。PR記事や取材記事、キャッチコピーや企画・構成・編集も請け負っています。
ブログ→泥ろぐ http://doronumako.com